歯科の世界では歯の表面から歯石を取り除くことをスケーリング(歯石除去)、歯石を取った後の歯の表面から病的な歯質を一層取り除き、ツルツルに磨くことをルートプレーニング(歯根面の滑沢化)といいます。また、この二つの言葉を合わせてスケーリング・ルートプレーニング(SRP エスアールピー)と呼びます。SRPによって歯の表面がきれいになると歯周病原菌が棲息する温床が無くなり、歯周疾患に侵された病的な歯肉がぐっと引きしまって、再び歯の表面に強く付着してきます。そうすると歯と歯ぐきのすき間が小さくなって新たに歯周病原菌が住みにくい口内環境になってゆきます。
以上の内容を言葉で表現することは簡単なのですが、SRPの術式は非常に煩雑で私たちにとっては根気のいる操作です。したがって良く手入れされた道具(インスツルメント)とよく訓練された専門家の集団(歯科医師・歯科衛生士)でなければ良い結果は生まれません。
まず良く手入れされた道具とは何でしょうか。プロの料理人は料理前に必ず使い慣れた包丁をきれいに砥いでベストの状態にしておきます。歯科の世界も全く同じです。歯石を取る時に使う道具のことをスケーラーといいます。このスケーラーの刃先をルーペや実体顕微鏡で拡大すると、歯石を取りやすいか、取りにくいかが一目瞭然です。決められた角度で均一に刃先が砥げていないと、刃先に異常な力がかかり患者さんに無用な苦痛を与えてしまいます。それどころかかえって歯の表面を傷つけて歯周病の治癒を遅らせてしまうことにもなりかねません。そのくらいスケーラーの刃先の状態は歯周治療の成否を分ける大事なポイントなのです。良く手入れされた道具を使えば無理な力は全く必要ありません。当然私たちもストレスになりませんし、頸肩腕症候群にもなりません。
現在スケーラーを研ぐ方法で最も多いのがアーカンサスストーンというスケーラー専用の砥石を使ってフリーハンドで行う方法です。ところがフリーハンドで砥ぐ方法ではスケーラーの刃先が尖り、短くなり、多面体になり、一定の角度で砥げない、といった不都合な事態が生じます。これは困ったことに熟練した専門家でも必ず起こることなのです。
実はこの刃先をきれいに砥ぐことは最新の科学的な研磨システムを応用することで、いとも簡単に歯周治療初心者でもきれいに砥げるようになっています。当院でも院長以下全スタッフがこの研磨システムを取り入れて道具をきれいに揃え、患者さんのために準備しています。あなた方の中には歯周治療で歯石を取ることは大切だと分かってはいても、前に歯石を取った時に痛い経験をしたので気が進まないと思われる方も多いと思います。よく切れないスケーラーや超音波機器を最大パワーにしてガリガリ力まかせに歯面に押しつけられれば痛みが出るのは至極当然のことです。
しかし、どうぞご安心ください。よく訓練された専門家が良い道具を用いれば痛くなく短時間で歯石除去ができます。それこそがプロフェッショナルの仕事だとは思いませんか?
結果としてプラークコントロールの成功した患者さんであれば間違いなく歯周病も治ります。
それに加えて、当院では歯周治療に上記のSRPとエルビウムレーザーを組み合わせることでさらに歯周組織の治癒を効率的に促すこともできるようになりました。すなわち、エルビウムレーザー光の@縁下歯石除去能力とA歯周ポケット内の消毒殺菌能力、それに加えてB炎症を伴った歯周組織の治癒促進能力を利用する方法です。それらをSRPに付加的に用いることで、とても早いスピードで治癒が達成され、健康な歯周組織にみるみる回復してゆきます。
当院でのこの素晴らしい治癒効果をぜひご体感ください。
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