エナメル質形成不全とおひさまの意外な関係

 

　日本小児学会の最新調査では、10 年ほど前には 10 人に 1 人程度だった 「エナメル質形成不全(歯のできが悪く弱い)」ですが、現在は軽度のお 子さんも含めると、小学 1~2 年生の約 5 人に 1 人にまで増加しているそうです。

 

　歯は乳歯でも永久歯でも育つ時期が限られています。

エナメル質のでき に問題がある場合、その時期に育ちを阻害する何らかの問題が起きてい ると考えられます。

 

　乳歯であれば妊娠 4~5 ヶ月くらい、永久歯は出生後 に硬くなり始め、3 歳頃までにエナメル質ができます。

 

　エナメル質形成不全の原因は大きく分けると、遺伝的要因と環境的要因 が考えられるのですが、これほど急激な増加を考えると環境的要因、つ まり歯が育つ妊娠期から出生後の幼児期までの、お子さんの育つ環境に 問題が起きていると考えられます。

 

　ビタミン D は、カルシウムやリンの吸収を促進する、骨や歯の形成に欠 かせない栄養素です。子どもだとくる病、大人でも骨軟化症や骨粗しょ う症など、骨の成長や代謝阻害されてしまう病気を引き起こします。

お母さんのビタミン D が欠乏していることで、その母乳で育つお子さん も欠乏症になってしまうのです。

 

ビタミン D は魚やきのこに多く含まれています。

食べ物でとる以外に、 皮膚が紫外線に当たることで体内でも合成されます。

効率よく働く質の よいビタミン D を得ることができるのです。

 

　この問題は研究中でまだ仮説の段階ですが、食生活の変化に加え徹底し た紫外線対策が、エナメル質形成不全の原因だと考えられています。

 

　バランスの取れた食生活とあわせて、妊婦さんや生まれてきた赤ちゃん は軒下や木陰で熱中症に注意しながら、短時間の軽い日光浴をしビタミ ン D を合成することで予防できる可能性があります。

大人の歯は一度生えたら一生ものです。

ぜひお子さんの将来のために、 そしてご自身の健康のためにも、取り入れてみてはいかがでしょうか。

参考図書:Nico 2020.8

 

今日も大変な暑さでした。皆様体調はいかがでしょうか？

くれぐれも熱中症にはお気をつけて下さい。

 

　本日は、渋川医療センターにて訪問診療をさせていただきました。

入れ歯が当たって入院してから使えなかった方の、調整をしました。

安定剤を付けることで義歯が馴染むことを説明し、痛みなく使えることを確認できました。

 

　義歯がお口に入ることで、表情が明るくなり、発音も聞き取りやすくなります。

改めて歯の大切さを実感していただけたようです。

 

　なお、ご高齢の皆様には、暑さを避けて通院されるようお願いしております。

涼しくなるのが待ち遠しいですね。

 

○○梅雨明けです。熱中症対策について！○○

 

いつでもどこでもだれでも条件次第で熱中症にかかる危険性がありますが、熱中症は正しい予防方法を知り、普段から気をつけることで防ぐことができます。

体が暑さに慣れていないのに気温が急上昇するときは特に危険です。

無理せず、徐々に体を慣らすようにしましょう。

 

〜対策〜

1 水分をこまめに摂りましょう。でも、甘い飲み物は、注意が必要です！

　スポーツドリンクなどの塩分や糖分を含む飲料は水分の吸収がスムーズにでき、汗で失われた塩分の補給につながります。

甘い飲み物の後には、必ず糖分を含まない水やお茶などを直ぐに飲みましょう。

糖分が口の中に留まらないようにするためです。

 

2 室内を涼しくしましょう。

　扇風機やエアコンで室温を適度に下げましょう。

過度の節電や「この程度の暑さなら大丈夫」とガマンしてはいけません。

 

3 日差しを避けましょう

　帽子をかぶったり、日傘をさすことで直射日光をよけましょう。

また、なるべく日かげを選んで歩いたり、日かげで活動したりするようにしましょう。

 

4 冷却グッズを身につけよう

　冷却シートやスカーフ、氷枕などの冷却グッズを利用しましょう。

首元など太い血管が体の表面近くを通っているところを冷やすと、効率よく体を冷やすことができます。

 

5 休憩をこまめにとりましょう

　暑さや日差しにさらされる環境で活動をするときなどは、こまめな休憩をとり、無理をしないようにしましょう。

 

参考文献

https://www.netsuzero.jp/learning/le02?fbclid=IwAR1Lesj_M2YV-JRX8cNV90OwJ8MzPaIhqvc78k3sFX64vGvG2xUYoboej10